複数のAIエージェントを連携させる設計|役割分担とオーケストレーションの考え方
1つのAIエージェントだけでは対応しきれない業務を、複数のAIエージェントに役割を分けて任せるときの設計の考え方を整理します。連携で決めておくべきことと、よくあるつまずきを紹介します。
AIエージェントの導入が進むと、やがて「1つのAIエージェントに全部を任せる」のでは対応しきれない場面が出てきます。受付・処理・確認といった工程ごとに役割の違うAIエージェントを分け、連携させて動かす設計です。この記事では、複数のAIエージェントを連携させるときに何を決めておくべきかを整理します。
1つにまとめすぎると起きること
最初はシンプルに、1つのAIエージェントに多くの工程を任せたくなります。しかし、受付から判断、実行までを1つにまとめると、途中でどこが誤ったのかが分かりにくくなります。工程ごとの確認もしづらく、一部だけを直したいときに全体を見直す必要が出てきます。
役割をどう分けるか
複数のAIエージェントに分けるときは、次のように役割の性質で分担すると整理しやすくなります。
| 役割 | 担うこと | 例 |
|---|---|---|
| 窓口役 | 依頼や問い合わせを受け取り、内容を整理する | 問い合わせ内容の分類、必要情報の確認 |
| 処理役 | 整理された内容をもとに、実際の作業を進める | 資料の下書き作成、データの突き合わせ |
| 確認役 | 処理結果を基準に沿って見直す | 抜け漏れの確認、人の承認が必要な箇所の判定 |
1つのエージェントに全工程を任せるのではなく、工程ごとに担当を分けることで、どこで何が起きたかを追いやすくなります。
連携させる前に決めておくこと
役割を分けたエージェント同士をつなぐ前に、次の点を決めておきます。
- エージェント間で何の情報をどの形式で受け渡すか
- 前段の結果が基準を満たさない場合、どこで止めて人に戻すか
- 全体のどこかでエージェントが止まったとき、次にどう動くか
- 誰が、どのエージェントの動きを後から確認できるようにするか
この4点があいまいなまま連携させると、一見動いているように見えても、途中の工程で起きた誤りに誰も気づけない状態になりやすくなります。
最初から全体を自動でつなげない
複数のエージェントを連携させる設計は、最初から全工程を自動でつなげる必要はありません。窓口役と処理役の間に人の確認を挟んだ形で始め、安定して動くことを確かめてから、確認役の判断も自動化の範囲に含めていく進め方が現実的です。
株式会社スリーラボでは、AIエージェントを業務の流れに組み込む際、工程を分解して役割ごとに整理したうえで、どこを連携させ、どこに人の確認を残すかを設計してからシステムに落とし込んでいます。
まとめ
複数のAIエージェントを連携させる設計では、工程を窓口役・処理役・確認役のように分担し、エージェント間で受け渡す情報・止める条件・後から確認できる仕組みを先に決めておくことが重要です。全体を一度に自動化しようとせず、人の確認を残しながら段階的に広げていくと、安定して運用できます。AIエージェントの設計や業務システムへの組み込みについてのご相談は、お問い合わせから承っています。導入事例は実績・事例もご覧ください。