システム開発・AI開発の検収基準をどう決めるか|納品後にもめないための進め方
システム開発やAI開発を依頼する際、何をもって「完成」とするかを事前に決めておかないと、納品後の確認や支払いの段階でもめる原因になります。検収基準を決めるときの考え方を整理します。
システム開発やAI開発を依頼した後、「思っていたものと違う」「これで完成と言えるのか」という食い違いが起きることがあります。多くの場合、原因は技術力ではなく、検収基準(何をもって完成とするか)を事前に決めていなかったことにあります。この記事では、検収基準に含めておきたい項目と、決めるタイミングについて整理します。
検収基準がないとどうなるか
検収基準を決めないまま進めると、次のようなことが起こりやすくなります。
- 完成の判断が人によって変わり、確認のたびに認識がずれる
- 支払いのタイミングが曖昧になり、進行が止まる
- 「直してほしい」の範囲が際限なく広がる
これらは発注側・開発側のどちらが悪いというより、確認する基準を先に言葉にしていないことが原因です。
検収基準に含めておきたい項目
| 項目 | 決めておくこと |
|---|---|
| 対象範囲 | どの機能・どの画面までを今回の納品に含めるか |
| 完成の定義 | 「動く」の基準(想定した操作で、想定した結果が出ること) |
| 確認方法 | 誰が、どの環境で、何を操作して確認するか |
| 確認期間 | 納品から何日以内に確認し、指摘を出すか |
| 修正の範囲 | 当初の仕様に対する不具合修正か、追加の要望かの線引き |
特に「完成の定義」と「修正の範囲」は、言葉にしないまま進めると後からもめやすい部分です。
いつ決めるか
検収基準は、納品直前ではなく、契約前の打ち合わせで決めておきます。着手後に決めようとすると、すでに開発の前提が固まっており、基準に合わせて仕様を調整しにくくなるためです。見積もりの比較検討をする段階から、検収の考え方をあわせて確認しておくと、後工程での認識のずれを減らせます。
AI機能を含む開発での注意点
AIを組み込んだ開発では、従来のシステム開発と異なる点があります。生成AIの出力は入力内容によって変わるため、「毎回100%同じ結果になること」を検収の基準にはできません。代わりに、次のような基準を用います。
- 想定した種類の入力に対して、妥当な範囲の出力が返ってくること
- 出力が不確かな場合に、断定せず「不明」と示せること
- 誤りが起きた場合に、どこで人が確認するかの工程が設計されていること
数値の完全一致ではなく、仕組みとして機能しているかどうかを基準にする考え方です。
株式会社スリーラボの進め方
株式会社スリーラボでは、着手前のご相談の段階で、対象範囲と完成の定義をすり合わせてから設計に入ります。AIを含む開発の場合は、出力の精度を保証する形ではなく、確認工程を含めた仕組みとして検収の考え方を整理します。進め方の詳細はできることのページ、実際の進め方はスリーラボについてにまとめています。
まとめ
検収基準は、納品後ではなく契約前に言葉にしておくことで、進行中の認識のずれを防げます。特にAIを含む開発では、出力の完全一致ではなく仕組みとして機能しているかを基準にする考え方が必要です。検収の進め方について迷う場合は、お問い合わせからご相談ください。