内部監査・コンプライアンスチェックにAIを使う|証跡の確認と、最終判断の線引き
内部監査やコンプライアンスチェックの実務にAIを使う考え方を紹介します。証跡の突き合わせや記録の整理はAIに任せやすい一方、違反の有無や是正の判断は人が担うべき領域です。
内部監査やコンプライアンスチェックは、規程と実際の記録を突き合わせる地道な作業が多く、担当者の負担になりがちです。チェック項目に沿って証跡を集め、抜け漏れを洗い出すところまではAIに任せやすい一方、違反にあたるかどうかの判断や是正の指示は、人が担うべき領域です。すべてをAIに任せようとすると、判断の根拠があいまいなまま結論だけが出てしまい、かえって確認の手間が増えることもあります。この記事では、どこまでAIに任せ、どこから人が判断するかを整理します。
チェック業務にかかる工程
内部監査・コンプライアンスチェックは、次のような工程に分けられます。
- チェック項目・確認すべき規程を洗い出す
- 対象部署から記録や証跡を集める
- チェック項目と記録を突き合わせる
- 抜け漏れや不整合がある箇所を洗い出す
- 違反の有無を判断し、是正を指示する
このうち1〜4は、決まった項目に沿って確認する作業のため、AIに任せやすい部分です。5の「違反かどうかの判断」は、経緯や事情を踏まえた判断が必要なため、人が担う部分として残します。
AIに任せやすい部分
- チェック項目リストを、規程の改定に合わせて整理する
- 集まった記録とチェック項目を突き合わせ、一致・不一致を仕分ける
- 前回の指摘事項との重複や、対応状況を照合する
- 気づいた不整合を、確認しやすい形で一覧にまとめる
こうした突き合わせと一覧化をAIに任せることで、担当者は記録を探す作業から、内容を確認する作業に時間を使えるようになります。とくに複数部署にまたがるチェックでは、部署ごとに記録の形式が異なることが多く、突き合わせの前段階だけでも時間がかかりがちです。この部分を仕組み化しておくと、チェックの頻度を上げても担当者の負担が増えにくくなります。
人が担うべき部分
| 工程 | 誰が行うか |
|---|---|
| チェック項目と記録の突き合わせ | AI |
| 不整合箇所の一覧化 | AI |
| 不整合が違反にあたるかの判断 | 人 |
| 是正指示・再発防止策の決定 | 人 |
| 監査結果の最終報告 | 人 |
AIが洗い出した不整合をそのまま結論にせず、背景事情を確認したうえで、違反にあたるかどうかを人が判断することが前提になります。
設計するときに決めておくこと
- どの規程・チェック項目を対象にするか
- どの部署のどの記録を、どこから集めるか
- 不整合をどの基準で「要確認」とするか
- 判断と是正指示の最終確認者を誰にするか
これらを事前に決めておくと、担当者が変わっても同じ基準でチェックを続けられます。とくに「要確認」の基準は、曖昧なまま運用すると担当者ごとに判断がぶれやすいため、最初にすり合わせておくことが欠かせません。
まとめ
内部監査・コンプライアンスチェックでは、チェック項目と記録の突き合わせや不整合の一覧化をAIに任せ、違反の判断や是正指示は人が担う、という役割分担が現実的です。株式会社スリーラボでは、こうした確認業務の自動化を、既存の記録や運用に合わせて設計しています。対象範囲は会社によって異なるため、お問い合わせから今の状況をお聞かせください。詳しい支援内容はできることのページにまとめています。