土地家屋調査士事務所・測量会社でAIを活用する場面|現地調査記録・案内文作成・書類準備から
現地調査の記録整理や依頼者・近隣への案内文作成など、土地家屋調査士事務所・測量会社でAIを活用しやすい業務を整理しました。境界確定や測量数値の判断と切り分けて考える方法を紹介します。
土地家屋調査士事務所や測量会社では、現地調査のメモ整理、依頼者や近隣住民への案内文作成、表示登記に必要な書類の準備など、測量そのもの以外にも時間のかかる作業が多くあります。案件ごとに関係者や提出先が変わるため、同じような文章を毎回一から作り直している事務所も少なくありません。ここでは、AIを活用しやすい業務と、有資格者の判断を必ず挟むべき業務の境目を整理します。
AIを活用しやすい業務
- 現地調査メモの整理:聞き取った内容や測量時のメモを、報告書の下書きとして整理
- 近隣への立会い案内文作成:境界確認の立会いを依頼する案内状のたたき台づくり
- 依頼者への進捗報告文の下書き:調査から登記完了までの現在地点を分かりやすく伝える文面
- 必要書類の案内リスト作成:表示登記や筆界確認で依頼者に用意してもらう書類一覧の下書き
- 現場写真の整理・台帳化:撮影した写真に調査日や場所の情報を添えて整理するたたき台
いずれも「境界や測量結果を確定させる」のではなく、「そこに至るまでの準備・連絡作業」である点が共通しています。AIは記録整理や文面づくりの下準備で負担を減らしやすく、最終的な判断は有資格者が行う形を崩さないようにします。
慎重に扱うべき業務
| 業務 | 注意点 |
|---|---|
| 筆界・境界の確定判断 | AIの出力を根拠にせず、有資格者が現地の事実関係をもとに確定する |
| 測量データ・座標値の算出 | 測量機器と専門的な計算に基づく数値をAIに代替させない |
| 登記申請書の最終内容 | 案内文の下書きとは別に、申請内容そのものは有資格者が確認・確定する |
| 依頼者・近隣関係者の個人情報を含む資料 | 入力してよい情報の範囲を事務所内で先に決めてから使う |
依頼者や近隣住民の氏名、住所、土地の権利関係など、扱いに注意が必要な情報を日常的に取り扱う業種でもあります。どこまでの情報をAIに入力してよいかを、口頭の申し合わせではなく文書として事務所内に残しておくと、担当者ごとの判断のばらつきを防げます。
導入するときの順番
- まず業務の中で時間がかかっている作業を1つ選ぶ(例:近隣への立会い案内文作成)
- その作業に普段かかっている時間を記録しておく
- AIを使った場合の時間と仕上がりを比べる
- 効果が確認できた作業から、対象を少しずつ広げる
案件ごとに関係者や書式が変わる業務ほど、一度にすべてを変えようとせず、効果が見えた工程から段階的に広げるほうが、事務所内の負担が小さく済みます。案内文や報告書の下書きなど、文章づくりにかかる時間が長い作業から着手すると、効果を実感しやすくなります。
株式会社スリーラボでは、土地家屋調査士事務所・測量会社からのご相談についても、生成AIの導入支援と、入力してよい情報の線引きを含む所内利用ルールづくりの範囲でお受けしています。境界確定や測量数値の判断そのものを代替するのではなく、その手前にある記録整理や案内文作成の負担を減らすことを目的にしています。詳しい内容はできることのページにまとめています。
まとめ
土地家屋調査士事務所・測量会社では、現地調査メモの整理や近隣への案内文作成、必要書類の案内リストづくりなど、境界確定や登記申請にたどり着くまでの準備作業でAIを活用しやすい場面が多くあります。一方で、筆界の確定や測量数値の算出、登記申請内容の最終確定は必ず有資格者が行うという境目を、事務所内で先に決めておくことが重要です。まずは1つの作業から試し、効果を確認しながら対象を広げていく進め方が、無理のない導入につながります。ご相談はお問い合わせから承っています。